2008年01月19日

映画「パール・ハーバー」

映画「パール・ハーバー 」(原題:Pearl Harbor)は、2001年に公開されたアメリカ映画です。帝国海軍が1941年(昭和16年)12月8日に行った真珠湾攻撃を題材にした映画です。

真珠湾攻撃だけでなく、バトル・オブ・ブリテン、ドーリットル攻撃隊による東京初空襲など第二次世界大戦の重要なイベントも描かれています。そして、戦闘シーンについて言えばそれなりに迫力ある映像になっていると思います。しかし、日本側の描写についてかなり考証の甘さが感じられるので、私が奇妙に思ったシーンをちょっと紹介したいと思います。

<真珠湾攻撃前の帝国陸海軍の対米対策会議シーン>
・屋外の戦国時代の本陣のような場所で陸海軍合同の作戦会議を開催。
・その本陣(?)には旭日旗(軍艦旗)が縦に掲揚。
・そしてその本陣の周辺には「尊皇」、「皇國」、「勇我」(?)、「男戦」(?)の垂れ幕。
・しかもその本陣(?)そのすぐ近くで子供達が凧揚げ。

<真珠湾攻撃前の帝国海軍の作戦会議シーン1>
・屋外の池で作戦会議。
・池に大きな戦艦の模型を浮かべて半裸の兵士がそれを竿で動かして模擬演習。
・その池の畔には鳥居の様なものがあり、鳥居の下に旭日旗(軍艦旗)が縦に掲揚。
・旭日旗(軍艦旗)の下には「軍極秘」の看板。
・机の上には徳利(銚子)と杯。
・屋外の壁に「七生報國」の習字が掲示。
・屋外に酸素魚雷を並べて深度調整機構について説明。

<真珠湾攻撃前の帝国海軍の作戦会議シーン2>
・山本五十六の左手の指が5本。

<真珠湾攻撃のシーン>
・空母艦内の兵員居住区で蝋燭を使用。
・飛行兵の持っている写真のキャプションが「ナゾリア艦戦」ではなく「戦艦アリゾナ」。
・日本機が逃げまどう民間人を機銃掃射。
・日本機が病院を爆撃、機銃掃射。
・日本機が艦を沈められ海面を漂うアメリカ海軍将兵を低空飛行で機銃掃射。
・第一種軍装(紺)の将兵の帽子が第二種艦内帽(白)。

はっきり言って、突っ込みどころが多すぎます(笑)。

そして私が一番納得がいかないのが、帝国海軍による真珠湾攻撃の過剰な演出です。艦艇への攻撃だけでなく、病院を爆撃したり、民間人を機銃掃射したり、海に漂う将兵を機銃掃射したりと、帝国海軍は非人道的な描かれておりますが、帝国海軍の攻撃目標はあくまでもアメリカ海軍の主力艦艇でした。ただ戦闘中の大混乱の中、結果的に民間施設に被害が出たり、機銃の流れ弾による死傷者はいたかも知れませんが、映画のように積極的に狙いすまして攻撃はしていませんでした。そもそも帝国海軍は戦闘艦攻撃偏重主義であり、輸送船を攻撃することを潔しとしない風潮がありました。そのため真珠湾攻撃でも基地の石油タンクすら攻撃目標に入れていませんでした。そんな帝国海軍が、アメリカによる経済制裁で物資が乏しい中、貴重な爆弾や弾薬を目標外の施設や人に用いることはどう考えても不自然なのです。

かつてアメリカは「トラ・トラ・トラ!」、「ミッドウェイ」といった戦争映画の大作を世に送り出してきました。しかしこの「パール・ハーバー」は、日本人の視点から見ると、それらと比べるて見劣りすることは否めません・・・。
<監督>
 マイケル・ベイ
<制作>
 マイケル・ベイ
 ジェリー・ブラッカイマー
<脚本>
 ランダル・ウォレス
<撮影>
 ジョン・シュワルツマン
<SFX>
 ILM
<音楽>
 ハンス・ジマー
<主なキャスト>
 山本五十六:マコ岩松(mako)
 源田実:ケイリー=ヒロユキ・タガワ
 ルーズベルト大統領:ジョン・ヴォイト
 ジミー・ドゥーリトル:アレック・ボールドウィン
 レイフ・マコーレー:ベン・アフレック
 ダニー・ウォーカー:ジョシュ・ハートネット
 イヴリン・ジョンソン:ケイト・ベッキンセイル
 ドリー:キューバ・グッディングJr.
 アール:トム・サイズモア
<公爵の独り言>
トラ・トラ・トラ!」や「ミッドウェイ」と比較するとその酷さが際立ちますね。アメリカ、どうしちゃったんでしょう? 日本側の描写が一昔前のステレオタイプな日本人的でなんだか脱力してしまいます・・・。

posted by 公爵 at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月18日

映画「ミッドウェイ」

映画「ミッドウェイ 」(原題:MIDWAY)は、1976年に公開されたアメリカ映画です。太平洋戦争中の1942年(昭和17年)6月5日、帝国海軍とアメリカ海軍が激突したミッドウェイ海戦を題材にした映画です。

この映画はアメリカ海軍が撮影に全面協力しており、本物のアメリカ海軍の空母を使って発着艦シーンを撮影したり、戦時中の映像を提供したりしていて、かなり見応えがあります。また、映画「トラ・トラ・トラ!」と同じく、日米両方の視点から描かれており、帝国海軍についても割ときちんと表現されていると思います。なお、一部、映画「トラ・トラ・トラ!」と同じシーンが使われてるようです。

この映画はキャスティングにかなりこだわりがあるそうで、多くの有名俳優が出演しているそうですが、「世界のミフネ」こと「三船敏郎」も連合艦隊司令長官山本五十六として出演しています。しかも、三船敏郎は山本五十六を演じるにあたりかなり事前の調査をしたようで、左手の白手袋の小指の長さを半分にして着用していたそうです(山本五十六は日本海海戦で負傷して左手の指を2本切断しています)。

そしてもうひとつこの映画で評価できることは、自由の国アメリカの歴史の恥部とも言われている「日系人強制収容」についても描いてあることです(当時、ドイツ系アメリカ人、イタリア系アメリカ人は強制収容されなかったのに、日系アメリカ人のみ差別的扱いを受け、強制収容所に収容されました)。アメリカの作る戦争映画ならば、「アメリカ万歳! アメリカ is No.1!」と言わんばかりの映画になりそうですが、このように自国のかつての恥部であっても反省し、それを表現できるところにアメリカの良い意味での「ヤンキー魂」を感じました。

太平洋戦争のターニングポイントとなったミッドウェイ海戦を描いた力作だと思います。私は映画「トラ・トラ・トラ!」と同じくらい気に入っております。お勧めです。是非一度ご覧下さい。

<監督>
 ジャック・スマイト
<制作>
 ウォルター・ミリッシュ
<脚本>
 ドナルド・S・サンフォード
<撮影>
 ハリー・ストラドリング Jr.
<特撮>
 ジャック・マクマスター
<音楽>
 ジョン・ウィリアムス
<主なキャスト>
 山本五十六長官:三船敏郎
 南雲忠一中将:ジェームズ繁田
 草鹿龍之介少将:ノリユキ・パット・モリタ
 渡辺安次中佐:クライド草津
 ニミッツ提督:ヘンリー・フォンダ
 ハルゼー提督:ロバート・ミッチャム
 スプルーアンス海軍少将:グレン・フォード
 マット・ガース大佐:チャールトン・ヘストン
 マドックス大佐:ジェームズ・コバーン
 ロシュフォール:ハル・ホルブルック
<公爵の独り言>
ジェームズ繁田の南雲忠一は実物より格好良すぎる感じがしますね。

posted by 公爵 at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月17日

映画「トラ・トラ・トラ!」

映画「トラ・トラ・トラ! 」(原題:TORA!TORA!TORA!)は、1970年に公開されたアメリカ映画です。帝国海軍が1941年(昭和16年)12月8日に行った真珠湾攻撃を題材にした映画です。タイトルの「トラ・トラ・トラ! 」は、真珠湾攻撃の時に使われた「我奇襲ニ成功セリ」を意味する帝国海軍の暗号に由来しています。

この映画、アメリカ映画ながら日米両方の視点から描いており、なかなか好感が持てます。キャスティングも割と史実の雰囲気に近い感じで見ていて納得が出来る感じです。また、当時は差別されていた黒人にもスポットライトを当て、白人を艦上ボクシング試合で負かしたり、戦闘で活躍したりし、白人と理解し合う様を描いたりと細かい配慮も垣間見られます。

あと、アメリカ映画だけあってセットにもお金を掛けており、特に映画冒頭に現れる戦艦「長門」の実物大セットは圧巻です。しかし帝国海軍の空母「赤城」の実物大セットまでは手が回らなかったようで、真珠湾攻撃の時の洋上航行シーンはアメリカ海軍の空母「レキシントン」を使って撮影されたそうです。

私がこの映画で気に入っているのは、真珠湾攻撃直前の空母からの発艦シーンです。夜明け前の暗い洋上。出撃前で慌ただしい飛行甲板。整備員から「必勝」の鉢巻を託される淵田隊長。航空機に搭乗員が搭乗、一瞬の静けさの後、飛行甲板に並んだ航空機のエンジンが始動。発艦の合図で飛行甲板を滑走する戦闘機。しかし飛行甲板の終端で機体が下降し一瞬見えなくなり、あわや墜落かとはっとする南雲長官。しかしその直後、姿を見せた戦闘機を見て安堵の表情を浮かべる・・・。その後航空機は続々と発艦し、帝国海軍機動部隊の上空を編隊飛行・・・。雲間から見える旭日(朝日)はまさに旭日旗(軍艦旗)。

まぁ、細かいところはともかく、太平洋戦争を描いた映画としては、かなりの力作、大作だと思います。また、かつての敵国アメリカが日本を単なる悪者ではなく、このような描き方をしたのは評価できると思います。
<監督>
 リチャード・フライシャー
 舛田利雄
 深作欣二
<脚本>
 ラリー・フォレスター
 小国英雄
 菊島隆三
<音楽>
 ジェリー・ゴールドスミス
<主なキャスト>
<日本側>
 山本五十六連合艦隊司令長官:山村聰
 南雲忠一海軍中将:東野英治郎
 三川海軍中将:須賀不二男
 宇垣纏海軍少将(連合艦隊参謀長): 浜田寅彦
 福留繁海軍少将(連合艦隊参謀長⇒軍令部作戦部長)河村弘二
 山口多聞海軍少将:藤田進
 大西瀧治郎海軍少将:安部徹
 原海軍少将:二本柳寛
 長谷川赤城艦長:細川俊夫
 黒島亀人海軍大佐(連合艦隊先任参謀):中村俊一
 源田実海軍少佐:三橋達也
 板谷海軍少佐:稲垣昭三
 淵田美津雄海軍少佐:田村高廣
 松崎海軍大尉:宇南山宏
 村田海軍大尉:室田日出男
 野村吉三郎駐米大使:島田正吾
 近衛文麿首相:千田是也
 東条英機陸軍大将:内田朝雄
 松岡洋右外相:北村和夫
 東郷茂徳外相:野々村潔
 木戸幸一内相:芥川比呂志

<アメリカ側>
 フランク・ノックス海軍長官:レオン・エイムス
 ハロルド・スターク海軍作戦部長:エドワード・アンドリュース
 ハズバンド・キンメル太平洋艦隊司令長官:マーティン・バルサム
 ウィリアム・ハルゼー海軍中将:ジェームズ・ホイットモア
 ジェームズ・リチャードソン提督:ロバート・カーネス
 ブラットン大佐:E・G・マーシャル
 クラーマー少佐:ウェズリー・アディ
 ヘンリー・スチムソン陸軍長官:ジョゼフ・コットン
 ジョージ・マーシャル陸軍参謀長:キース・アンデス
 ウォルター・ショート陸軍中将:ジェイソン・ロバーズ
 コーデル・ハル国務長官:ジョージ・マクレディ
 ジョセフ・グルー駐日米国大使:メレデス・ウェザビー
 駐日米国大使書記官:アンドリュー・ヒューズ
<公爵の独り言>
この映画、淵田美津雄少佐(田村高廣)が良い味出しています。

posted by 公爵 at 00:07| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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